新橋演舞場につかこうへいと黒木メイサを観に行く
全共闘世代とも言われる団塊世代62歳のつかこうへいさんが肺癌で入院されていると聞きました、ということで不謹慎な話しですが、今まで観たことがなかった彼の舞台を観て来ました、場所は新橋演舞場...今は横浜に去った日産自動車の本社があったビルにあります、演目は「飛龍伝」、主演は沖縄アクターズスタジオ?出身の女優黒木メイサさん、相手役は東幹久さんと、以前第二の裕次郎として公募で選ばれた徳重聡さんです。
物語は彼の青春でもあるだろう70年安保闘争を縦糸に進みますが、横糸にそれとはまったく無関係な11年前の東海村臨海事故とか、鳩山現政権の話しなどのシーンがフラッシュバックされ、原子力発電所を皇居の近くに造れ!など、我々日本人が聞くと不謹慎に感じる科白もあります、この芝居につかさんが持ち込んだものは、縦糸の70年安保闘争ではなく、横糸に畳み掛けるように重ねた、彼の政治的な主張にあるとも感じられるのです。
つかさんが韓国人であることで、あ~じゃぱ~じゃ言う人がいると思いますが、彼がそのことを隠していないのですから批判には当たりません、しかしある意味サブリミナル効果を狙ったとも言える、このような演出手法はとても巧みですが、ボクはあまり好きではありません、つかさんの舞台を観るのなら、なかなか難しいですが、自分というものをしっかり持つ必要があります。
役者の評価?東幹久さんは上手かった、黒木メイサさんは超一流にもう少し、徳重聡さんは一流にもう少しといったトコでしょうか...まあいずれにしてもつかこうへいさんの意図から逃げるのに必死になった舞台でした、それと目の前に小さな障害物があって、少し前に乗り出さないと観辛く、乗り出したら後ろの人に手で肩を叩かれ、そのバランスを取るのに苦労した席でした。
もう1回手を出して来たらコッチも睨んで喧嘩になっていたかもしれません、アナウンスで前に乗り出さないでくださいとも言っており、座席設計に若干問題があるようです、まあ東京ドームの1階席も前の人の座高が高いと頭は邪魔になるし、2階席も旗を振るなど変な応援されるとウザイですから、コンピュータ設計といえど万全ではなく、手を出した後ろの人も可哀想なのですが...
さて新橋演舞場に今の歌舞伎座で最後に上演される、4月公演の演目チラシがありました、三部構成になっており、第三部最後の演目は市川團十郎さんの「助六由縁江戸桜」です、玉三郎さんの揚巻、福助さんの白玉、自身も助六を昨年暮れの京都南座で演じた仁左衛門さんのくわんぺら門兵衛ほか、勘三郎さん、三津五郎さんそして菊五郎さんなどの大御所が並び、はまり役と言えるのは意休役の左團次さんくらいといえる凄い布陣です。
《追記》
銀座和光の中はやはり別世界でした。
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