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February 14, 2010

途中書評:「2020 10年後の世界秩序を予測する」

ロバート・J・シャピロさんの「2020 10年後の世界秩序を予測する」をその4/5くらいまで読んだ、この本はリーマンショック前の2008年に書かれた本で、アイルランドを褒めその国家財政破綻を予測していませんが、非常に興味深い本である、ボクが講演を聴きに行った神田昌典さんが監訳した、「最悪期まであと2年! 次なる大恐慌」という本と同じ趣旨の内容のように思います。

シャピロさんの主張は神田さんの本と同じく、先進各国の少子高齢化という人口動態が軸になりますが、国内の経済格差は受け入れるものとし、基本グローバリゼーションを受け入れている米国と中国は繁栄し、拒絶するイギリス以外のヨーロッパと日本は没落すると言っています、彼が言っていることは概ね理解出来ますし、途中まではその意見の通り進めるべきです。

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しかし彼が是としている、すべてが米国のように社会保障・医療保障が貧弱な、自由競争至上主義でヨイのかという点は疑問が残ります、それだと国・企業栄えて人滅ぶ、堤美果さんが米国レポートの第二弾を出しましたが、日本も米国型の貧困大国の道を歩むだけです、だからと言ってヨーロッパのように労働者の解雇に厳しい規制を施せば、グローバリゼーションに乗り遅れ衰退の道を歩むは必定...かなり難しい政策判断が要求されます。

この本を読んでボクは小泉さんというか、竹中さんが確信犯的に進もうとしていた道がはっきりと見えました、彼はグローバリゼーションの大波に乗り、日本を米国型の成長路線に乗せようと必死の努力をしたわけです、小泉政権以降の自民党はその辺があやふやになり政権の座を落ちました、今民主党がやろうとしているのは、それとは対極のヨーロッパ型です、このことが典型的に現れているのが、亀井さんが進める郵政反民営化政策です、これも残念ながら日本を衰退に導くだけです。

ボクは常々経済成長第一ではなく、一般庶民の生活が良くなることが政策の目的であると言っています、米国型とヨーロッパ型の中間を行く政策が求められているのです、このためには子供手当よりも、幼保一元化の実現などによる託児所の充実など、女性が子供を安心して産める環境の整備と、働く意欲がある人誰もが生きるのに適切な給与を貰えるように、雇用を安定させると共に、ビジネス教育の充実などを図らねばなりません。

そして大変厳しい決断ですが、65歳以上の年金を貰える世代の医療保険給付から、凄まじいカネのかかる最先端の医療、先ずは最終末の命を長らえるだけの延命治療は外さなくてはいけません、姥捨て山だ金持ち優遇だと言われようと、そうでもしないと医療保険が持たないのです、現役世代を追い込み結果高齢者を苦しませる、更なる少子化を招くだけです、高齢者の医療と介護は安らかな苦しまない死とは何かを徹底的に追及すべきです。

また年金も国民年金に代表される基本部分と厚生年金は、現状をほぼ維持する必要がありますが、公務員共済年金の上乗せ部分とか、企業年金の企業財務を圧迫する、過去の遺物である高い利率は是正しなくてはいけません、しかし国会が政治とカネに無駄な時間を費やし、マスコミが五輪代表選手の服装問題などを執拗に取り上げ、キリンとサントリーの破談のように、国際競争に必須なM&Aが進まないようではお先真っ暗です。

《追記@2010.02.14 AM09:55》
今やっている某国営放送局の政治番組1時間の内訳は、政治とカネが30分以上、箇所付け問題が約15分で、結局本題の予算関係はたったの15分...まったく何をやっているんだろネ。

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