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January 30, 2010

土曜日の有楽町マリオン:閉まる西武と残る阪急

Yurakucho_mullion_1001_a00 今日は有楽町マリオンに行って、閉まる西武百貨店と残る阪急百貨店を視て参りました、土曜日ということもありシネコンのチケット売場がある、1階吹き抜けの通路は映像に見る様な大混雑でした、西武百貨店の店内はというと、閉まるなどと聞いてしまっているせいか、土曜にしてはあんまり混んでいないようにも感じます、阪急百貨店も客の入りは西武とさほど変わりません、店員さんによると平日はどちらもあまり人が入っていないそうです。

土曜日の有楽町マリオン:閉まる西武と残る阪急(10:58)
力のあるアパレルが少なくなった@京都阪急閉店
祇園祭が終わった土曜日に京都の繁華街に繰り出す
新宿のルミネエストと伊勢丹のサロン・デュ・ショコラ
百貨店と日本はどうやって縮小均衡を達成するのか?
東京ファスト・ファッションズ・ツアーを敢行!
新宿ユニクロツアー敢行ス!&新宿の摩天楼群
銀座松坂屋がファストファッションに売場を割譲!
伊勢丹の吉祥寺店が閉店しても誰も困らない
わからなければ現場に行け!@伊勢丹吉祥寺店閉店

人気ランキングはどうなっているんだろう?

肝心の店内はどちらも百貨店としてかなり小ぶりなのですが、本館はレディスとメンズの衣料品に特化しているため、小さいながらもそれなりに揃っており、デパ地下...食品売り場くらいはあってヨイと思うのですが、それ以外は全部取り揃えようとして失敗した、伊勢丹吉祥店の轍は踏んでおりません、では何で有楽町西武が閉店に追い込まれたのでしょうか?

新宿ルミネなど専門店ビルに入っているブランドが、いくつか西武百貨店にも入っているのですが、その価格帯が専門店ビルよりも明らかに高いのです、店員さんは対象とする顧客が違うとおっしゃるのですが、売れないのであれば安い価格帯のものも提供すべきです、ただ大丸松坂屋のJ.フロントリテイリングように、はるやまとかフォーエバー21に丸投げするのは、自分たちの能力を高めないので良くありません。

結論を言えばお客様に買って戴けるモノを提供するしかありません、その中で儲けるしか手がないのです、まずは自分たちの商品の価値を最大化することです、ここではデザイン、マーケティングそしてブランディングなどが重要になります、商品そのものではなく無形の力で買って戴ける価格を上げるのです、理由は商品開発に先んじて出来るからです、しかしそういう努力を怠っている、或いは十分にしていないトコが多いように感じます。

最近数が売れないせいでしょうか、以前は8500円だったネクタイが12000円になるなど、お客様が感じる商品価値が前と変わらないのに、価格だけが上がっているのを何故かよく目にします、単純に価格を上げるとお客様は逃げて行き、自分たちの首を絞めるだけないのですが、そのことがわからないようです。

近頃は営業マンを除けば、毎日スーツで仕事をしている人は以前より減っています、そしてクールビズとやらで、夏場のネクタイの売上数は明らかに減っているでしょう、なのでアパレルが顧客プレゼンのときに着る、高額のスーツとかネクタイに力を入れるのはわかります、だからといって単純に値段が上がったネクタイを購入するとも思えません、この場合は8500円のラインを残し、新たに12000円のラインを追加するが正解でしょう。

しかしそれとは逆にシーズン当初から3割引、そして以前ならまだ正価で売っていた時期に、7割引とヤッテしまうトコもあるのです、これではお客様に3割引後が正価で7割引後は半値セールねと、正確に計算されてしまいます、その横でユニクロなどのファストファッションが、えっという価格でヨイ商品を提供すれば、お客様は当然そちらに逃げて行きます。

ボクが気が付いた良いマーケティングの例を紹介すると、ポロ・ラルフローレンが1着10万円と彼らにしては安いスーツを提供しているのに気付きました、以前こんな安いラインはなかったねと店員さんに聞くと、ありましたが気が付かれませんでしたと言っていました、以前は10万円から小刻みに価格を上げていたため、10万円という価格帯が埋もれていたのです。

それを今回は10万円、20万円、それ以上と価格をシンプル3段階にし、且つ一番安いラインを目立つように展示したようです、こうすればポロを買えなかったお客様が購入します、彼らを取り込んで今後の高級品へのグレードアップ戦略が取れます、且つ商品アイテム数を絞り込むことで、コストがかなり下がりますので、結果儲けが大きく増大するのです。

次はコスト構造を変えてより低価格で提供出来るようにすることです、コスト削減で最も手っ取り早いのは人件費の削減ですが、ココに何の考えもなく手を付けると、提供する商品の価値が下がりお客様は逃げて行きます、そして安い商品ラインを投入する場合には、この商品は素材を変えて安くしているなど、何故従来より安いかをお客様に説明しなくてはいけません、こうしないと素材と価格を元に戻したときに、お客様が付いてきません。

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