百貨店の敵は同じ百貨店ではない
今秋号の週刊ダイヤモンドの特集は「百貨店最終決戦」だ、まだ1/3くらいしか読んでいないが、戦う相手が同じ百貨店だと思っているならそれは勘違いである、ということでJR東日本が経営する新宿ルミネのうち、時間の関係でルミネ1だけを見て来た、地下2階が軽食スペースとなっており、就活中の女子大生が2名...一人はパンを主体としたカフェで、もう一人はお茶漬け屋さんで夕刻の腹ごしらえをしていた。
お茶漬け屋さんの値段は750円くらいで、就職超氷河期の到来で苦労していると聞くが、お昼は250円弁当の日もあるという、我々1コイン(500円)以下^^おじさんより羽振りが良いようだ、冗談ともつかぬ本音はさておき、地下1階&2階のユナイティッドアローズなど、各階に入っているショップの服の価格は、原宿などに大挙して出店している外資系衣料品店よりも明らかに高い、モノによっては数倍以上違う、それでもここルミネ1にも入っている、アクアガールなどを展開するワールドの売上は、この10年くらいで2倍になっていると聞く、業績は基本好調なのだ。
テナントによる優勝劣敗はあるが、彼らは女性たちの心を掴んでいるということだ、ダイヤモンド誌は百貨店と大手アパレルとのもたれ合いで、そのどちらも売上利益とも3~5割落としたと書いているが、百貨店は口悪く言えば伊勢丹新宿本店以外は場所貸しだし、名前を言わないが大手アパレルはワールドなど極一部を除けば、お客様を見ていなかったということだ。
大丸が紳士服のはるやまを入れて業績好調と書いてあるが、売上と利益が上がればヨイというのでは百貨店の名が泣く、大丸で今後スーツを買う気がしないという人もいるだろう、彼らが百貨店という冠を外すのも、そう遠い話しではないかもしれない、これが正直ボクの本音だ、でもそれで企業が残るということであれば、それもひとつの選択であって一概に否定するものではない。
ボクが描く百貨店の未来は縮小均衡である、伊勢丹の府中店はヨイ店だがダイヤモンドに次の撤退候補として挙がっている、あれだけモノが揃った店の売上利益が上がらないということなら、それはそこに十分な商圏がないということになる、大丸のように百貨店の看板を少しズラすということも考える必要があるし、百貨店という業態を維持するのであれば、池袋・吉祥寺といった駄目な店舗を閉め、銀座などの有力な店舗に注力するという、三越伊勢丹の手法が正解のように思う。
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Comments
まったく同感ですね。一体自らの存在価値がどこにあるのかを真剣に考え直さないと、たんに場所貸し業でしかなく、それならそれで徹すればいいかもしれません。
世界的に見ても百貨店という業態、ビジネスモデルがもう成り立たなくなってきているように感じます
Posted by: 大西 | May 26, 2009 11:27 PM