医療でも大都市と地方に格差あり
今日のテレ東ガイアの夜明けで「町の病院が消える日」~地域医療の未来を描け~という番組を放送するようです、その前触れかなのかどうか知りませんが昨日のテレ東WBSで、2年前の医師の研修制度の変更が地方病院の医師不足を招いたみたいな内容の放送をしていました、テレ朝なんかがやると制度改悪と直ぐにいいますが、さすがWBSですから研修制度変更の効用の話しもチラとしていました、それで民間の医局なるものをが出てきているそうな、まこの程度の話しなら事前に厚生労働省がちゃんとしたシミュレーションを行っていれば出ているハズです、ソウ明らかに事前に手を打っておくべき類のモノです
ボクは詳しく知らないので神戸の小児科の開業医さんにご意見をお訊きしたいと思いますが、離島とか寒村ならともかく東京近郊の千葉・佐倉といった地方都市までこの状況というのは看過できません、しかし今のままではいくらカネを積まれようが、凄まじい激務となる地方の病院に勤めようなどという奇特な御仁はいないと思われます、アメリカでは簡単な医療は看護師が行っているという話しもききます、正直東京に住んでいると内科でも暇にしている開業医が多く実感がわきませんが、現実を踏まえどのような対策が最善なのかを考え早急に手を打たなくてはいけません
《追記》
コメントありがとうございます、現状認識はおっしゃるとおりなんでしょう、では急がなくて結構ですから...と言っても1ヶ月以内^^に個人的な解決策をおききしたいです、医師仲間との一献の後でお願いできれば幸いです
再コメントありがとうございます、おっしゃるとおりです、即回答が無理なことは承知致しております<(__)>、まあすべてを市場に任せようとすると必然的にこうなるワケで、格差問題もそうですが日本という国が健全な社会を維持するためには、誰にどのような社会コストを負担して貰うのか、ここでいう社会コストとは金銭ダケではありませんが、そのことを公平に決めなければイケナイと思います、どういう解決策が考えられるのか、いくつかその糸口でもぼちぼち^^ブログに書いていただければ幸いです、医者の現場の意見が我々患者にとっては貴重なのです
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Comments
TBありがとうございます。私は関西の人間なので、千葉と言ってもディズニーランドとマリーンズぐらいしか印象にありませんが、千葉の医療もなかなか厳しいようです。
そもそも医者には公式の人事機関はなく、今も昔も建前は本人の自由意志で、好きな医療機関に勤めてよいとなっています。そういう医者の自由意志を暗黙の掟で縛っていたのが医局制度です。
事実上、医局派遣ルートに乗らないと有力病院の勤務は不可能となっていたのです。それだけではありませんが、医局制度に批判が強くなり、いわゆる医局解体政策が強力に行われました。そのトドメと言われているのが、新研修医制度です。
新研修医制度により、研修医が自分の意思で勤務する病院を選ぶと言う意識が根付きました。医局に頼らなくても勤務が出来ることがわかったのです。こうなるのは、医局の縛りが無くなれば出てくると、誰でも予想できると思います。
医者も一皮向けばただの凡人ですから、自由に選べるなら、勤務条件が良くて、給与がそれなりで、大都市の病院を選びたがるのは理の当然です。病院も医局が医者不足となれば、医局に義理を立てる必要は無くなり、医局ルートに頼らずに医者の囲い込みの動きに出ます。
ただし囲い込みに出れる病院は大都市の病院に限られ、地方のもともと勤務条件の悪い病院は敬遠されます。べつに不思議な現象ではありません。これまで医者が確保できたのは、医局という重石があり、条件の悪い病院のお勤めを果たしたら、次回は条件の良い病院に転属できると言う餌につられていたためです。
医局というところは、もちろんそんな綺麗事ばかりのところではありません。負の側面もいろいろあります。しかしそもそも完璧な制度など世の中になく、プラスとマイナスを合わせてプラスが多いならマシな制度と言っても良いと考えます。
医局制度の大きな役割に条件の悪い病院に医者を派遣をしてきたというのがあります。これは大きな効用でした。唯我独尊傾向の強い医者の意思をねじ伏せるには、医局ぐらいの訳の分からない権威が必要悪だったと言う事です。
他のデメリットを打ち消すために、このメリットを打ち消したのですから、こうなるのは予想の範囲内のはずです。はずだと思うのですが、厚生労働省の答弁は「医師の偏在化が問題である」と完全に他人事であるのに笑います。
Posted by: Yosyan | May 16, 2006 12:03 PM
管理人さん無理を言ってもらっても困ります。管理人さんもうちのブログを読まれた事があるようですが、現状の問題に対して即回答なんてものがあれば、2ヶ月も同じシリーズで書いていません。
問題は重層化、複層化しているところが多々ありますので、1ヶ所修正すればすべて解決には到底なら無いということです。
医師の偏在の問題も、まず厚生労働省が大建前にしている「医者は足りている」自体の信用性から始まります。さらに足りていなければどれだけ必要なのか、足りているならなぜ足りないかの論議まで進みます。
偏在化の実態も従来からの比較は当然必要です。偏在はこれまでもある程度あった訳であり、これが近年になり異常に著明となったのであれば、偏在化の解消法のみを考えればよい事になります。しかし実際は偏在して医者が余っているはずの大都市部でも、医者の求人はふんだんにあります。この事が何を意味するかはすぐに御理解いただけるかと思います。
また完全に自由意志で医者が勤務先病院を選ぶのであれば、条件の悪い病院は悪条件をカバーする高待遇を必要とします。そんな事が出来る病院は非常に限られたものである事ぐらいもご存知かと思います。
書き出すとキリがないのですが、強いて言えば日本人が医療どうしたいのかにつきます。医療費と医療の質と量は相関します。医療費をかけずに量と質を提供せよは無理な相談です。
日本の医療が向かいつつあるのは、イギリス型医療崩壊の道と指摘する識者がいます。私もその意見に賛同する部分は大です。ネットで調べられてもありますし、本なら虎ノ門病院の小松先生が書かれた「医療崩壊」があります。よろしければご参照頂ければ幸いに存じます。
Posted by: Yosyan | May 16, 2006 01:49 PM
私のブログにも書いているつもりですが、管理人さんの追記にも解答は書かれています。医者からのメッセージは、このまま財政再建のために医療費を削り続けると、医療はドミノ倒しのように崩壊するぞと言う事です。
崩壊しないようにするには限られた予算で提供できる医療と質をまず明示する必要があります。少なくともこのままの医療費削減路線を続けていくと、地方から始まる医療崩壊はやがて大都市部にまで及ぶ懸念は十分あります。東京はおそらく最後になるでしょうが、東京まで来れば日本中は焼け野原です。
医療が無くなれば困るのであれば維持しなければなりません。維持するには広い意味のコスト、狭い意味で言い切れば金がかかります。望む目標が高いほど費用はかかり、低ければそれなりになります。
医療は国策事業になりますから、国民がどの程度の医療を欲し、どの程度の医療費負担が可能かの妥協点を探る必要があります。妥協点を見つけた上で目指すべき医療整備目標(青写真)を作り、それにそって医療計画を立て直す必要がある時期に来ています。
そこまでの調整が出来るのは政治です。官僚は財政再建のみにしか現在関心がありませんので、いくら医療費を削ったかの手柄争いにしか興味がありません。だからこそ政治の出番です。
ところが政治問題として取り上げてもらい国民的関心を寄せてもらうには、医療問題が社会問題化し、政治問題化する必要があります。そのためには現在程度の医療危機ではまだ足りないようです。
だから医療崩壊を義侠心から無理に支え防ぐのは、問題を先送りするだけで、あっさり崩壊に手を貸し、速度を進めたほうが問題解決の近道であると言う事になります。どの時点で気づいてくれるかで、崩壊の程度は決まり、早いほど傷口は小さく再建も容易です。
以上が問題解決の現在のところの糸口として出している結論です。そこまで行ってから、具体的な問題点である医師の不足問題、診療科の偏在問題、医師全体の偏在問題、地域医療の維持や経営問題の解決などの各論がようやく展開されていくと考えます。
現在はまだ総論として医療危機の存在さえ十分認知されていない状態であり、総論が認知されていない状態で、各論のみを論じて解決するのはおそらく不可能であると言うのが結論です。
結局現在「逃散」と称される現象を医師の多くは是認しています。そうする事が解決策の糸口に到達する近道であると言う事です。
解決法はこのあたりで、医師の中で異論を唱える人はうちのブログではいません。
Posted by: Yosyan | May 16, 2006 06:18 PM
ウチの田舎は(具体的にどこがどうなのか知りませんが)日本有数の医療体制らしいですな。あんま利用しないんで知りませんけど。
老人福祉とか、そういうの。いい感じらしいです。利用しませんけど。
そういう地域に住んでるんで医療格差と言われてもピンときませんけど(間に合ってるから)、基本的に病気は我慢か自己療養で上等なんで、ピンときても意味無いかなって感じですかね。
個々の田舎の医療体制がどうこうじゃなくて、複数市町村にまたがった広域医療にしないとダメなんじゃないですかね?
送迎等の移送手段に注力すべしっていうか。今さら箱モノ作ろうったって無理ですし、寒村は医師が逝きたがらないんであれば、ソフトパワーにも期待できない。だったら、自分から逝くしかない。
そのための補助手段を行政が整備する程度で十分つうか、多分それ以上に現実的な処方は無いように思います。
規制緩和して救急車内での医療行為を大幅に認めたり、所在は都会の大規模病院でいいけど勤務実態として周辺地域への出張サービスを増やすとか。派遣専門医なんてのも創設すると面白い。
人が居ないから強制的に人連れて来いってやり方自体、どこぞの将軍様チックで誰も賛同せんでしょ。賛同しないシステムを護持して地方医の質を落とすくらいなら、居たけりゃ都会に居てもいいけどお前の職場は田舎にしかないよ? って現実で攻めると吉。っぽい。
Posted by: 私 | May 18, 2006 02:13 AM
私んちの罹り付けの医者は先祖代々っていうか近々100年程度のお付き合いですけど、そんなに経営に困ってるって風でもないなぁ。むしろ裕福かもしれんなぁ。
看護婦10人程度養ってるからそれなりに規模大きいですけど、じいちゃん父ちゃん息子医者~みたいな家族経営なんで、はっちゃけ馬鹿が出てきたら一発で潰れるっちゅう意味でスリリング。
金の問題に傾斜する医者って、本質的に流れ者だよなーと思ってみました。
流れ者に多くを期待するのが、土台無理かと。
Posted by: 私 | May 18, 2006 02:21 AM